健康入浴、美容入浴からダイエッターサポートまで幅広く対応する温泉成分

Point.1

入浴による効果

お湯につかると、体には、温熱、水圧、浮力の3つの物理作用が働きますが、ここでは特に重要な温熱について説明します。温浴効果という言葉もよく使われますが、温浴はお湯に体をつけること、温熱はお湯の熱を体が受け取って温まることですので、温浴効果があれば温熱効果もあり、両者の意味は同じです。

また、温熱の効果は、お湯につかっている部位だけではありません。
お風呂上がりに顔の透明感や素肌感のアップを実感するケースは多いと思いますが、その理由は、温熱が全身を巡って温めることで、いわゆる「湯上り美人効果」が発揮されているからです。
ボディはもちろん、フェイシャルまで同時にメンテナンスが可能な総合ケアが入浴です。

Point.2

温泉成分は入浴効果のブースター

お湯につかって体が熱を受け取ると、体の他の場所に伝える(熱を分散させる)ために血管が拡張されます。血行が促進されるということは、熱が伝えられているだけでなく、その場所にたまった老廃物が洗い流され、新しい栄養や酸素などが送り届けられ、組織がリフレッシュ(代謝促進)されることで、健康な体と肌がつくられる条件が整うことになります。

体が温まると皮膚が赤くなるのは血行がよくなっているためで、温泉成分は、水道水を沸かしただけよりも、体の他の場所に熱を伝える力(血行促進効果)が大きいため、入浴効果を更に引き出すブースターのような役割を持っていることになります。

Point.3

温泉成分と入浴剤

入浴剤は、日本で古くから続く、生薬をお風呂に入れる風習(菖蒲湯やゆず湯)や温泉文化を背景に、生薬を布袋に入れたもの、天然温泉を乾燥させたもの、温泉を構成している成分を配合したものなどが使用されてきました。

現在、入浴剤のベース成分は、生薬と温泉成分に大別されますが、当社では、日本が世界でも有数の温泉国であり、温泉を利用して病気やけがの治療に役立ててきた歴史があることから、湯治による効果効能をルーツとする温泉成分が最適と考えています。

Point.4

当社が着目する温泉成分

温泉には、一定の成分を含んだ「療養泉」と呼ばれる10種類の泉質(単純泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉・含鉄泉・酸性泉・含よう素泉・硫黄泉・放射能泉)がありますが、この中から、当社が特に着目するは、温泉に求める機能が集約された3つの成分です。

硫酸ナトリウム 硫酸塩泉(傷の湯)の陰イオン主成分
炭酸水素ナトリウム 炭酸水素塩泉(美人湯)の陰イオン主成分
塩化ナトリウム 塩化物泉(熱の湯)の陰イオン主成分
Point.5

温泉成分による特長の違い

当社が特に着目する3大成分の他、温泉成分それぞれが持つ、温熱、血行促進以外の特性について説明します。

硫酸ナトリウム(芒硝) 硫酸イオンの一部が、皮膚のしなやかさに重要なコンドロイチン硫酸の形で結合組織に固定されるといわれており、温泉成分の中では荒れ肌やハリ不足の肌に向いた原料です。尚、硫酸ナトリウムをメインにしたものは、湯のあたりがやわらかいと感じる人は多いため、温泉らしいなめらかな入浴感には欠かせない原料のひとつです。
炭酸水素ナトリウム(重曹) 弱アルカリの性質により、皮膚の脂と反応して石鹸のような効果で汚れや古い角質を落として肌をきれいにし、体臭の元となる酸化した脂肪の分解にも役立ちます。つるつる、すべすべ感触の美人湯らしい入浴感には欠かせない原料のひとつで、温泉成分の中ではくすみ肌、お手入れ不足の肌に向いています。重炭酸ナトリウムとも呼ばれています。
塩化ナトリウム(食塩) 食塩の結晶が肌上にヴェールのようにひろがって体の熱をキープし、風呂を出たあともポカポカが続く保温効果(湯冷めしにくい)をもっています。温熱効果との相性は抜群なので、温泉成分の中では冷え性に向いており、入浴剤づくりには欠かせない原料です。
炭酸ナトリウム(ソーダ) 炭酸水素ナトリウムよりアルカリ性が高く、つるつる、すべすべ感触の入浴感には欠かせませんが、単体使用すると皮脂を取り過ぎてしまうことがあるので、他の温泉成分のサポートとして使用する原料です。尚、別名はソーダですが、シュワシュワと発泡するものではありません。
塩化マグネシウム(にがり) マグネシウムイオンが肌の水分量を保持するセラミド産生を促すといわれており、温泉成分の中では乾燥肌に向いた原料です。尚、当社内に於いて、塩化マグネシウム高配合の試料に対し、3割以上のモニターが「湯上り後のしっとり感がある」と回答しており、温泉成分だけでこのような評価となったのは興味深いところです。
硫酸マグネシウム(エプソムソルト) ハリウッドセレブによるダイエッターサポート入浴として注目されたものですが、上記のマグネシウムイオン(塩化マグネシウム)や硫酸イオン(硫酸ナトリウム)の関係からすると、温泉成分の中では肌に対する機能が期待できる原料です。

上記成分のほか、メタケイ酸ナトリウムや炭酸カルシウムなど、入浴感や組成再現などの目的に合わせて複数の温泉成分を組み合わせて処方を行います。

Point.6

温泉成分とスキンケアの相性

入浴時の肌は、湿度が高く温められているために角質が膨潤し、角質同士(細胞間脂質)の流動性が高まり、成分がなじみやすい状態にあります。入浴剤は、一度で全身を成分にひたすことができるのが最大の利点です。温泉成分にエモリエント成分、クレイ、各種保湿成分などをプラスすることで、入浴時の体感、出浴後の保湿感、出浴後の素肌力を高めることができます。